藍染 sayu/坂 由香里 (さゆ/さか ゆかり)

国産のすくも(藍の葉を乾燥、発酵させたもの)を使用し
「天然灰汁醗酵建て」(てんねんあくはっこうだて)と言われる、
江戸時代から変わらない技法で藍染をしています。

柄付けは主に絞りで行っています。
一針一針丁寧に縫い、手絞りによる絶妙な力加減で施された絞りは
柄際がぼんやりと柔らかくなるのが特徴です。

Q. 作品について教えてください。

写真手前から「青海波(せいかいは)」「つぶつぶ」「蛍」「市松」「しずく」です。
「青海波」「蛍」「しずく」は手ぬぐい、
「つぶつぶ」「 市松」はハンカチです。

素材:綿100%
デザインは自然物が多く、私自身がデザインしています。

Q. 材料はどのようなところで手に入れていますか?

ハンカチなどの小物は染料店にて染色用のものを、
洋服は天然素材(綿、麻、絹など)を用いて服の製造をしている
アパレルメーカーから仕入れています。
洋服は主に浅草橋にあるyohakuのものです。

Q. 作品はどのような技法で作られていますか?

主に「絞り」と呼ばれる技法で、
針と糸を使って縫い、柄を作っています。
手絞りによる絶妙な力加減で施された絞りは
柄際がぼんやりと柔らかくなるのが特徴です。

染めは天然灰汁醗酵建て(てんねんあくはっこうだて)と呼ばれる江戸時代から変わらない技法で、
自然の物だけを使って藍建て(=藍染の染液を作ること)を行って、
一つ一つ丁寧に染めています。

使用している材料は、すくも(藍の葉を乾燥、発酵させたもの。兵庫県産)、
灰汁(樫やクヌギなどを燃やした灰にお湯を足して一晩置いたもの)、
消石灰、小麦ふすまの4つです。

Q. 作品が1個完成するまでにどのくらい時間がかかりますか?

柄付けからおおよそ2~3週間程度です。

Q. どのような点にこだわって作っていますか?

絞りという技法は出来る柄が限られていて、
あまり写実的な絵のような柄を表すには向いていないと思っています。
なので、絞りに向いている柄(昔からある柄も含めて)を考え、
出来るだけ今の時代に合った柄をデザインしています。

絞りの柄は古臭いと思われがちなので、
出来るだけ「キレイ」や「かわいい」と思ってもらえるよう心がけています。

Q. 制作するうえで大変なことはありますか。

時間が掛かることです。
天然藍の色は1回の色は薄く、何回も染め重ねて濃く仕上げていきます。
どの作品も染めだけで 最低1週間は掛かっています。

Q. どんな人におすすめですか?

藍の色は海外でジャパンブルーと呼ばれるほど、
日本人に昔から馴染みのある色です。
老若男女問わず肌馴染みの良い色だと思っています。

Q. 作品を保管するとき注意する点があればお願いします。

もったいないと言ってしまいこんでしまうと、
畳んでいたところの折り山が変色してしまう事があります。

天然藍で染めたものは染めてすぐは藍の色も濃いですが、
植物自体が持つ茶色い灰汁も一緒に染まり付いている状態です。

洗濯を繰り返すうちに藍の色も多少色落ちしてしまいますが、
茶色い灰汁も一緒に落ちていくので、
「使えば使うほど色が冴える」と言われています。
ぜひ、使って、洗ってを繰り返していただきたいと思います。

季節もの(ストールなど)はシーズンの最後にお洗濯をして、
畳んでタンスに仕舞っていただければと思います。
翌シーズンに最低一回は出して使っていただけると幸いです。

Q. 作品のお手入れ方法を教えてください。

おしゃれ着用の中性洗剤で手洗いが一番ですが、洗濯機でも洗えます。

洗濯機の場合は、おしゃれ着用中性洗剤で
ドライコース、手洗いコースなどで洗って、
出来れば陰干ししてください。
素材により洗濯機不可のものもありますが、手洗いはどの素材も可能です。

つくり手/坂由香里

大学時代に藍染に興味を持ち、
卒業後徳島県の無形文化財保持者でもある古庄紀治氏に師事。
2012年よりsayuとして活動をしています。

職業 藍染作家
出身地 東京都
活動拠点 東京都町田市
趣味 特にありませんが、強いて言うなら手作り市やクラフトマーケットを見て回るのが好きです。
http://www.sa-yu.net/
https://www.creema.jp/c/sayu
Instagram @sayu_sakayukari

Q. ななつぼしクラフト展開催に向けて抱負や挑戦、目標をお聞かせください。

夏のイメージの強い藍染ですが、
秋冬物のアイテムも「良いかも」と思っていただけるように
色々ご用意できたらと思います。

秋冬に恋しくなるウール素材は
藍染にするととても発色が良くとてもキレイです。
ぜひ実物をご覧いただければと思います。