ジュエリー/金属 銀工房wanling (ぎんこうぼうわんりん)

レンコン、コーヒー豆、しじみなど、
身近な暮らしのなかにある自然や植物、野菜などを題材として
金・銀などのジュエリーを制作しています。
このところ、金属の錫を使って、器や雑貨も作るようになりました。

身のまわりにある自然や植物、野菜などを改めて観察してみると、
そこに存在している形の不思議さ、美しさに新鮮な驚きをおぼえます。

日々の暮らしでは見過ごしがちだけれど、
身のまわりにはいくつもの面白さがひそんでいることに
改めて気づかされます。

Q. 作品について教えてください。

「ななつぼしピアススタンド」

錫のピアススタンドです。
北斗七星の模様を金属の表面に描いています。

星のところは穴が空いていて、
そのままオブジェとしてもお使いいただけますし、
ピアスを差し込んで収納できるようにもなっています。

「ななつぼしクラフト展」のために作った作品です。

素材/錫100%
デザイン・制作/竹崎 万玲

Q. 材料の仕入れ先はどのようなところですか?

専門の金属材料店から、インゴット(金属の塊)を仕入れています。

Q. 作品はどのような技法で作られていますか?

まず、インゴットをお鍋で溶かして、板を作ります。
その板をハサミで切り、
ふちにやすりをかけるなどしてなめらかに仕上げます。

表面に鉄筆で北斗七星を描き、
星のところはドリルで穴を開けます。

自立するように、下部を叩いて後ろに曲げて安定させます。

Q. 作品のデザインは何を表現していますか?

北斗七星です。
葛飾北斎は北極星、北斗七星を神格化した北辰妙見菩薩を信仰していました。
「北斎」の名前も北辰妙見菩薩にちなんでいるそうです。

今もなお世界中の多くのつくり手たちに多大な影響を与える北斎。
その北斎の生誕地近くに建つ、
すみだ北斎美術館で開催する「ななつぼしクラフト展」のために作った作品です。

Q. 作品が1個完成するまでにどのくらい時間がかかりますか?

集中して作業すれば2時間くらい。
実際には他のさまざまな作業を並行して進めているのでもっとかかります。

Q. どのような点にこだわって作っていますか?

さまざまな思いを込めて作っていますが、
ひとつのモノとして美しい、かつ使いやすいという視点を大切にしています。
日々の暮らしに溶け込んでなじむものを作りたいです。

Q. 制作するうえで大変なことはありますか。

形を決めるまでに、数ミリ単位で試作をくり返します。

北斗七星の模様部分は手描きなので、
一度失敗すると初めから作り直しとなります。

また、錫板を作るときに、錫が溶ける温度は230度と高温となり、
火傷したりします。

柔らかいとはいえ金属なので、切ったり削ったり叩いたりするのは力仕事です。

Q. この作品はどんな人におすすめですか?

日々の暮らしにちょっとアクセントとなる面白みが欲しい方。
ピアスをなくしがちな方。

Q. 作品を保管するとき注意する点があればお願いします。

柔らかい素材ですので、強い衝撃が加わると変形します。
たわしやクレンザーでの洗浄や摩擦により、傷がつくことがあります。
保管する場合は、柔らかい紙や布などで包むことをおすすめします。

Q. 作品のお手入れ方法を教えてください。

錫は無毒で酸化しにくく、錆びにくい安全な金属です。
色の変化が少なく、美しい光沢を長期間に渡って保ちます。
古くから食器や装飾品などに用いられてきた素材です。
抗菌作用があることが知られています。

錫は経年変化が少ない素材ですが、長く使うと輝きが鈍くなってきます。
それもまた錫の味わいですが、新品のような輝きを保つためには、
定期的に柔らかい布で乾拭きしてください。

磨き直しをするには、市販の金属磨きや歯磨き粉、重曹などをお使いください。
柔らかい布やスポンジ、メラミンフォームなどで水洗いできます。
洗浄後は水滴を柔らかい布で拭きとって、自然乾燥してください。

つくり手/竹崎万玲

高知県出身。立教大学文学部心理学科卒業後、
ジュエリー制作を学びました。
システムエンジニアやWebデザイナーとして企業勤務を経た後、
現在は東京都を拠点として創作活動を行っています。

職業  ジュエリー作家
出身地  高知県高知市
活動拠点  東京都墨田区
趣味  読書 ものづくり 旅 スポーツ観戦
https://wanling.jp
Instagram  @wanling.jp
Facebook  @wanling.jp

Q. 今後の展示などの予定があれば教えてください。

2019年12月1日〜12月25日 コレド室町テラス 誠品生活日本橋内 Creema &Essence にて展示販売

Q. 今後やりたいことや目標を教えてください。

地域の資源を活かし、ものづくりに関わっていくこと、
ものづくりに関わる人びとを応援し、良さを伝えることを続けていきたいです。
「ななつぼしクラフト展」を、今後も定期的に開催したいと考えています。
いつかアトリエショップを持ちたいです。

Q. ななつぼしクラフト展開催に向けて抱負をお聞かせください。

今回、新作「星」のジュエリーのご用意と、
久しぶりにワークショップを開催する予定です。
お楽しみに!